タクシードライバーのみなさんのクチコミ

お客様の心に残る「安全・無事故・快適」の乗務を目指して

タクシーの運転手になって、かれこれ15年がたちます。 車の運転が好きで、自分のペースで仕事ができるのではとの安易な考えからこの仕事に就きましたが、良かったと思う部分と、大変だったという部分があります。 しかし、総合的に考えると、この仕事に就いて良かったと思っています。 それでは、タクシー運転手になって良かったということについて書いてみたいと思います。

タクシーを利用するお客さんが望むこと。それは、最短時間で、最安料金で、快適に目的地に着きたいということだと思います。 これにお応えしようと、私は努めています。 私は東京を中心に走っており、23区内を移動することが多いですが、時々、多摩地域や、千葉、神奈川、埼玉方面、さらには首都圏近郊まで走ることがあります。 今は、ナビゲーションシステムが普及していて、お客さんから行き先を告げられた段階で、目的地を入力して、ナビの指示に従って運転する運転手が増えています。 私は、これを極力やらないようにしています。 自分たちは運転のプロです。ナビに従って運転するのであれば、一般の人々と同じになってしまうではないですか。

それに、ナビは機械的に指示を出してくれますが、案外、「抜け道」などを指示してくれることはないのです。 ナビも知らないような、便利な抜け道をどれだけ知っているか。これがタクシー運転手の力量だと思います。 抜け道を走っているときに、お客さんから「運転手さん、よく知ってるね、この道」と言われると、運転手冥利に尽きます。 抜け道をマスターするためには、ふだんから地図を眺めながら研究し、実際に走ってみて覚えていくしかありません。 「そんなことをしなくても、便利なナビを使えばいい」と言えばそれまでですが、タクシーを使うお客さんは、タクシーが「贅沢な乗り物」であると思っている人が少なくなく、少しでも近道を通って料金を安く、早く目的地に着きたいと思っています。 それに応えないで、どうしてプロの運転手と言えるでしょうか。 「東京のタクシーの運転手は態度が悪い」「愛想が無い」と言われていたことが一時期ありました。今では、各社とも、お客さんへの接客態度について厳しくなっていますが、料金を頂いているお客さんに悪い態度で接するなど、プロとしてもってのほかだと思います。 確かに、お客さんの中には態度が悪い人がいます。「金を払っているんだから、払っているほうが主人で、もらっているほうが従者だ」と考えているお客さんもいることでしょう。 しかし、運転手として、どんなお客さんでも、「このタクシーに乗って良かった」と思わせられたら、どんなに嬉しいことか。 お客さんの中には、楽しい気分で乗ってくる人もいれば、大切な商談を前に緊張している人、家族に不幸があってつらい気分の人、腹がたつことがあってイライラしている人等、いろんな状況の方が乗ってこられます。 そうした方々のそれぞれの状況に合わせて接することは、タクシー運転手としての醍醐味だと思います。 話がしたそうな人には、「きょうは暑いですね」と声をかけてみる。静かにしていたい人はそっとしておく。イライラを口にしている人には「大変ですね」と言ってみる。そのように、その場の空気を読みながらハンドルを握ることは、とてもやりがいがあります。

お客さんを乗せて、平均して10分程度で目的地に着くことが多いです。この限られた時間、限られた空間の中で、お客さんに「気分がリフレッシュできた」「これから頑張ろう」と思ってもらえるようにするのが、「安全・無事故」の次に大事な私たちの目標だと思っています。 あと何年、タクシー運転手を務められるか分かりませんが、力の限り、一期一会を大事にしながら、お客さんの心に残る無事故の乗務を続けていこうと思っています。

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