タクシードライバーのみなさんのクチコミ

固定給制ではないタクシーの仕事は、自分だけが頼りです。確かに会社の看板で儲けさせて貰ってる事も事実ですが、普通の会社の様に会社におんぶに抱っこでは損もします。無線配車の仕事を初め、そんな事例は沢山あります。

私が転職したのは無線配車の仕事に係わる事が理由でした。その理由を説明するには無線配車の仕事について理解して頂く事が必要です。そして無線配車の実際を知っておく事はタクシーの仕事を考えておられる方にとって有益ですので、少々長くなりますがご紹介したいと思います。

タクシーの仕事は大きく分けて3通りの方法があります。一つは「流し」や「客待ち」という街中でお客さまを見つける方法で、二つ目は「伝票配車」という会社からの指示により指定のお客様を乗せる仕事です。そして「無線配車」は街中での「流し・待ち」と並行して、営業車に入って来る無線配車に応じて行う仕事です。

先ず「従来」の無線配車について細かく説明します。
お客様から会社の無線室に入る電話での注文が仕事の始まりです。無線室の受付係が、お迎え場所や時間、人数、必要がある時はお送り先などお客様の要望を受け付けます。その注文は配車オペレーターに回って、お迎え場所の近くの目印になる交差点や建物などの名称を無線で全営業車に口頭で呼びかけます。街中に居る営業車の運転手がそれを聞いて自分が目印場所に近いと思ったら、マイクで自分が向かう旨応答します。それを受けた無線室オペレーターが、お客様のお名前やお迎え場所など必要事項を教え、営業車が迎えに走るという手順で配車が行われます。

さて、わざわざ「従来」と頭に付けたのは、10年位前からナビとコンピュータによる自動配車が普及したからです。そしてこの自動配車が私の転職の動機になったのです。自動配車での手続きでは、最新ではお客様の注文時点から違ってきます。携帯電話にある様に、登録しておけば電話が掛かって来ると即お客様の名前が分かります。するとお迎え場所などは尋ねなくてもデータに入っているのでそのままボタン一つで配車が為されます。コンピューターがナビで営業車の位置を常時把握してるので、最も近くに居る営業車を自動で検索して配車を行うのです。運転手側は突然の電子音で配車を知り、ナビ画面にお迎え先の地図が表示されるという具合です。さて、ここまでだと素晴らしいシステムだと思われるでしょう。ところが運転手から見ると、一概に良いと限らないのです。

従来型と最も違う点は、応答するかしないかの選択権の有無になります。無線の仕事そのものは勿論売り上げにプラスになるシステムです。タクシーはその日の全走行距離の半分前後は空車で走っている程に効率の悪い仕事です。その空車距離をいかに実車(お客様を乗せている距離)に置き換えるかが、売り上げアップのコツなのです。
売り上げの優秀な運転手は無線の仕事を上手に入れ込んでいます。慣れて来ると、何時、何所ら当たりで常連客から注文があるかなどが分かってきて、流しの間に無線仕事を取って効率良く仕事が出来るのです。

半面、迎えに到着してから何十分も待たせたり、ヤクザ並に粗暴だったりなど、嫌なお客の時は困りものなので、従来型ではそんな無線は応答せず避ける事が出来ました。また雨降りや週末など忙しい時は次々にお客様が手を上げるので流している方が効率が良く、無線を敢えて取らない人もいます。
ところが自動配車では強制的にナビに配車が入って来るので、運転手の応答の自由は全く無くなってしまいます。私が前の会社をやめたのは、この自動配車の不自由さが理由でした。

会社としては自社を指定して使って下さるお客様が第一だと言います。それは正論です。しかし、歩合制が給料の基本である運転手のとっては、仕事の効率が最重要なのです。自身の売り上げを減らしてまで会社の正論に付き合う義理は無いと考える運転手は沢山います。まして、怖い嫌な客の矢面に立たされるのなどはとんでもない事です。
そんな訳で私は転職したのですが、今の会社に入って数年、この会社も自動無線の導入をしてしまいました。現在、再度の転職を考えています。

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